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所要(経常)運転資金とは?運転資金の計算方法について

資金調達

資金繰りを感覚的な知識で行っていると、資金繰りが苦しい状態であることに気づかないことがあります。
貸借対照表では、資産と負債でバランスがとれていたとしても、事業の資金繰りでは資金の収支にズレが生じることがあります。
例えば、取引先と売掛や買掛等の掛取引を行っていた場合は、その売上によって直ちに現金が増えるわけではありません。
この収支のズレを解消するために必要な資金を所要運転資金といいます。
なお、この所要運転資金は経常運転資金ともいわれます。
この所要運転資金は、売掛金のサイトが買掛金のサイトより長い場合等の販売代金の回収と仕入代金の支払い時間的なズレによって生じます。

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運転資金とは

事業資金には運転資金の他に設備資金があります。
設備資金は、その資金使途は明確であるため、必要な資金額も明確となります。
一方で運転資金は金額が多いほど経営を楽にさせます。
しかしながら、金融機関等の外部から資金調達をする場合は金利が発生しますので、必要以上の借入は金利負担を大きくさせます。
そのため、必要な運転資金については正確に算出する必要があります。

所要(経常)運転資金の計算について

所要運転資金は、企業が営業活動を進めるために必要な資金を指します。そのため、所要運転資金の増減が資金繰りに大きな影響を与えることになります。
また、ここで必要とされる資金については、利益概念とは関係がなく会社を存続させるための資金繰りの問題として把握する必要があります。

なお、所要運転資金額は以下のように計算できます。

要運転資金
=①売上債権+②棚卸資産+③前渡金-(④買掛債務+⑤前受金)

※売上債権に割引手形を含めることで、割引手形で資金を調達する前の所要額を把握します。

この計算からわかるように、一般的に商品を仕入れて販売し、それを回収するまでには時間的なズレが発生します。このズレを把握することで通常の営業活動を行うための必要な資金を明らかになります。

例えば、以下の例示の所要運転資金は

科目 金額(万円)
①売掛金 6,000
②受取手形 4,000
③棚卸資産 2,000
④前渡金 1,000
⑤買掛金 4,000
⑥支払手形 3,000
⑦前受金 500

以下のように計算できます。

①売掛金6,000+②受取手形4,000+③棚卸資産2,000④前渡金1,000-(⑤買掛金4,000+⑥支払手形3,000+⑦前受金500)=所要運転資金5,500万円

①売上債権とは

売上債権とは取引で生じた債権を指し、具体的には売掛金や受取手形が該当します。
会社が取引先にサービスや商品を販売する場合は、現金で行われることは少なく、取引先の資金繰りの調整などを理由として、契約の中で支払日を定めて後払いとすることが一般的になります。
売掛金とは、売上が発生してから数カ月経過後に現金払いとする、いわゆるツケ払いをいいます。
例えば、卸売業と小売業との取引で、毎月月末に締切日を設けて2か月後の月末にまとめて支払うといった場合をいいます。 なお、受取手形とは通常の営業取引により発生した手形債権をいいます。これは、商品やサービス等を販売した際に、その対価として販売先から受け取った商業手形を指し、その支払期日まで現金化されないものになります。

②棚卸資産

企業が販売する目的で一時的に保有している商品・製品・原材料・仕掛品の総称をいいます。いわゆる在庫が棚卸資産に該当します。
棚卸資産は販売されることにより企業に収益をもたらしますが、それが販売されない限りは仕入価額相当の資金が商品に変わって滞留していることを意味します。
そのため、棚卸資産が長期間にわたり在庫となっている場合は不良在庫であることを意味し、経営上の大きな問題となります。

③前渡金

前渡金は、商品や原材料、サービス、外注加工費等の支払について、代金の一部または全部を前もって支払うことをいいます。
なお、前渡金と売掛金は以下の点で性質が異なります。 前渡金は、商品やサービスを購入する前に代金を支払うことで商品やサービスの提供を受ける権利を有するものですが、売掛金は販売した商品やサービスの代金の支払いに対する権利を有するものである点で異なります。

④買掛債務

買掛債務とは取引で生じた債務を指し、具体的には買掛金や支払手形が該当します。
買掛債務は売掛債務と対となるものを指します。
買掛金は、商品や原材料、サービスを仕入または提供を受けた際に、後から代金を支払う企業間の信用取引の一種で将来の現預金の支払いを約束した取引をいいます。いわゆるツケ払いをいい、毎月一定期日で締め切って一定の支払日にその代金を支払うため、買掛金の取引は通常多数に及びます。
そのため、金額によっては資金繰りに影響を及ぼすため、支払に対して注意が必要です。 なお、支払手形とは、通常の営業取引により約束手形を振り出したり、為替手形を引きうけたりした時に発生する手形債務のことをいい、支払期日にその代金を支払うものになります。
※所要運転資金を計算する上での支払手形は、営業に関係するものだけを計算にいれます。したがって設備に関する支払分は除きます。

⑤前受金

前受金は、商品やサービスの提供を行う前に、代金の一部もしくは全部を受領することをいいます。例えば、受注生産や予約販売等の注文を受けてから納品をするまでに時間を要するものが該当します。
いわゆる内金や手付が該当しますが、取引先へ商品やサービスの提供が終わっていないものを指します。

まとめ

売上と費用だけを見て利益が出ている場合も、現金の支払いが先行していることも考えられます。
所要運転資金を把握していないと、利益は出ているにもかかわらず、手元に現金がなく、支払不能となることも考えられます。これがいわゆる黒字倒産になります。
その事態を避けるためには、仕入先への支払サイトを延ばすことや販売先からの回収サイトを短くする方法が考えられます。
しかしながら、取引先があったこその商売となるため、自社の都合に合わせて回収条件等をもう置けることは困難です。特に経常的に取引をしている先については、支払いサイトを長くしたり、回収サイトを短くすることは一層難しくなります。
不足する運転資金については金融機関から調達する方法が考えられますが、必要以上の運転資金を調達することは金利の負担が大きくなるため、注意が必要です。
そのため、所要運転資金を把握した上で、会社のキャッシュフローに十分注意する必要があります。

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