安全性分析-固定比率と固定長期適合率について

  • URLをコピーしました!
目次

はじめに

固定比率と固定長期適合率は、企業の財務状況を把握するための財務指標です。
固定比率は、固定資産のうち、自己資本の割合を示すもので、固定資産の調達方法を判断する指標です。固定比率が高いほど、固定資産の調達に自己資本が占める割合が高く、財務が安定していると判断されます。
固定長期適合率は、固定資産のうち、自己資本と固定負債の合計額の割合を示すもので、固定資産の調達方法を判断する指標です。固定長期適合率が高いほど、固定資産の調達に自己資本と固定負債が占める割合が高く、財務が安定していると判断されます。
両者の違いは、固定負債の算入有無です。固定比率は、固定資産のうち、自己資本の割合を示すため、固定負債は算入されません。一方、固定長期適合率は、固定資産のうち、自己資本と固定負債の合計額の割合を示すため、固定負債が算入されます。

固定比率について

固定比率とは、固定資産を自己資本で割った比率です。固定資産は、建物や設備などの長期的に使用する資産であり、自己資本は、株主からの出資や利益剰余金などの返済の必要がない資金です。そのため、固定比率は、企業の長期的な支払い能力を示す指標となります。

固定比率の計算式は、以下のとおりです。

固定比率 = 固定資産 / 自己資本

例えば、固定資産が100億円で、自己資本が50億円の場合、固定比率は2.0となります。
固定比率が100%以下であれば、固定資産の多くが自己資本で賄われているため、財務が安定していると判断されます。ただし、業種や規模によっても適切な水準は異なります。そのため、比較対象となる企業や業界の平均値を参考にしながら、分析を行うことが重要です。
固定比率が100%を超える場合、企業は固定資産の一部を借入金などの負債で賄っていることになります。そのため、経営環境の悪化や不測の事態が発生した場合、固定資産の返済が困難になる可能性があり、財務が不安定であると判断される可能性があります。
固定比率は、単独で判断するのではなく、他の安全性分析の指標と組み合わせて分析することで、より正確な判断が可能となります。例えば、固定比率が低い場合でも、株主資本比率が低い場合は、自己資本が少ないため、財務が不安定であると判断される可能性があります。
また、固定比率は、時系列で分析することで、企業の財務状況の変化を把握することができます。例えば、固定比率が徐々に上昇している場合、固定資産の投資額が増加している可能性があり、財務が不安定化するリスクが高まると考えられます。
このように、固定比率は、企業の財務状況を評価するために重要な指標です。

固定比率に関する留意点としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 固定資産には、減価償却費を加算して計算することが一般的です。
  • 固定比率は、企業の規模や業種によっても適切な水準は異なります。
  • 固定比率は、単独で判断するのではなく、他の安全性分析の指標と組み合わせて分析することが重要です。

固定比率は、企業の財務状況を評価する際に、重要な指標となります。ただし、固定比率を判断する際には、上記の留意点を踏まえて、適切な分析を行うことが重要です。

固定長期適合率について

固定長期適合率とは、固定資産を自己資本と固定負債の合計で割った比率です。固定資産は、建物や設備などの長期的に使用する資産であり、自己資本は、株主からの出資や利益剰余金などの返済の必要がない資金です。そのため、固定長期適合率は、企業の固定資産の調達方法を示す指標となります。

固定長期適合率の計算式は、以下のとおりです。

固定長期適合率 = 固定資産 / (自己資本 + 固定負債)

例えば、固定資産が100億円で、自己資本が50億円、固定負債が50億円の場合、固定長期適合率は100%となります。
固定長期適合率が100%以下であれば、固定資産の一部が借入金などの負債で賄われていることになります。そのため、経営環境の悪化や不測の事態が発生した場合、固定資産の返済が困難になる可能性があり、財務が不安定であると判断される可能性があります。
固定長期適合率が100%を超える場合、固定資産の多くが自己資本で賄われているため、財務が安定していると判断されます。ただし、業種や規模によっても適切な水準は異なります。そのため、比較対象となる企業や業界の平均値を参考にしながら、分析を行うことが重要です。
固定長期適合率は、単独で判断するのではなく、他の安全性分析の指標と組み合わせて分析することで、より正確な判断が可能となります。例えば、固定長期適合率が低い場合でも、株主資本比率が低い場合は、自己資本が少ないため、財務が不安定であると判断される可能性があります。
また、固定長期適合率は、時系列で分析することで、企業の財務状況の変化を把握することができます。例えば、固定長期適合率が徐々に低下している場合、固定資産の投資額が増加している可能性があり、財務が不安定化するリスクが高まると考えられます。
このように、固定長期適合率は、企業の財務状況を評価するために重要な指標です。

固定長期適合率に関する留意点としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 固定長期適合率は、企業の規模や業種によっても適切な水準は異なります。
  • 固定長期適合率は、単独で判断するのではなく、他の安全性分析の指標と組み合わせて分析することが重要です。

固定長期適合率は、企業の財務状況を評価する際に、重要な指標となります。ただし、固定長期適合率を判断する際には、上記の留意点を踏まえて、適切な分析を行うことが重要です。

固定長期適合率の改善策としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 固定資産の投資を抑制する。
  • 自己資本を増やす。
  • 固定負債を減らす。

固定資産の投資を抑制することで、固定資産の調達に必要な資金を減らすことができます。自己資本を増やすことで、固定資産の調達に自己資本を活用し、固定負債の比率を下げることができます。固定負債を減らすことで、固定資産の調達に借入金などの負債を活用する比率を下げることができます。
固定長期適合率を改善することで、企業の財務が安定化し、倒産リスクを低減することができます。

参考データ

経済産業省の「企業倒産予測システム」では、以下の業種別の固定比率、固定長期適合率の平均値が公開されています。

業種固定比率固定長期適合率
卸売業62.2%77.6%
小売業56.3%72.1%
製造業60.7%76.2%
サービス業53.7%70.1%
情報通信業75.3%89.6%
運輸業58.8%74.3%
建設業59.1%74.6%
金融業63.6%78.9%
不動産業51.9%67.2%

また、全業種別の平均値は、以下のとおりです。

指標平均値
固定比率60.7%
固定長期適合率76.2%

これらのデータは、2022年3月期の財務諸表に基づくものです。業種や企業規模によって適切な水準は異なるため、あくまでも参考として活用してください。
業種によって、固定比率や固定長期適合率の水準には大きな差があることがわかります。例えば、情報通信業は、固定資産の多くが設備投資に費やされるため、固定比率や固定長期適合率の水準が高い傾向にあります。一方、不動産業は、固定資産の多くが土地や建物などの減価償却費の大きい資産であるため、固定比率や固定長期適合率の水準が低い傾向にあります。
企業経営者や財務担当者は、業種ごとの特徴を理解した上で、これらの指標を分析することが重要です。

まとめ

固定比率と固定長期適合率は、企業の財務状況を把握するための財務指標です。
固定比率は、固定資産のうち、自己資本の割合を示すもので、固定資産の調達方法を判断する指標です。固定比率が高いほど、固定資産の調達に自己資本が占める割合が高く、財務が安定していると判断されます。
固定長期適合率は、固定資産のうち、自己資本と固定負債の合計額の割合を示すもので、固定資産の調達方法を判断する指標です。固定長期適合率が高いほど、固定資産の調達に自己資本と固定負債が占める割合が高く、財務が安定していると判断されます。
一般的に、固定比率が60%以上、固定長期適合率が70%以上あれば、財務が安定していると判断されます。
固定比率と固定長期適合率は、企業の財務状況を把握する上で重要な指標です。企業経営者や財務担当者は、これらの指標を常に把握し、適切な経営判断を行うことが重要です。また、これらの指標は、業種や企業規模によっても適切な水準は異なります。そのため、企業の財務状況を適切に把握するためには、業種や企業規模を考慮した上で、これらの指標を分析することが重要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

人事系コンサルで頑張っている者です。
毎日全力で突っ走ってます!!

目次