労働基準法 第64条の3(危険有害業務の就業制限)~妊産婦等~

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条文

第64条の3(危険有害業務の就業制限)
使用者は、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺ほ育等に有害な業務に就かせてはならない。
2 前項の規定は、同項に規定する業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、厚生労働省令で、妊産婦以外の女性に関して、準用することができる。
3 前二項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、厚生労働省令で定める。

本条について

本条は、母性保護の観点から、妊産婦の妊娠、出産、保育などに有害となる業務について、就業を制限するとともに、女性の妊娠又は出産に係る機能に有害となる業務についても併せて就業の制限を規定したものになります。

妊娠中の女性に就かせてはならない業務について

本条3項第1項の規定により、妊娠中の女性を就かせてはならない業務は次のとおりになります。

①次の表の上欄に掲げる年齢の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる重量以上の重量物を取り扱う業務

年齢断続作業の場合継続作業の場合
満16歳未満12㎏8㎏
満16歳以上満18歳未満25㎏15㎏
満18歳以上30㎏20㎏

②ボイラー(労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)第一条第三号 に規定するボイラーをいう。次号において同じ。)の取扱いの業務
③ボイラーの溶接の業務
④つり上げ荷重が五トン以上のクレーン若しくはデリック又は制限荷重が五トン以上の揚貨装置の運転の業務
⑤運転中の原動機又は原動機から中間軸までの動力伝導装置の掃除、給油、検査、修理又はベルトの掛換えの業務
⑥クレーン、デリック又は揚貨装置の玉掛けの業務(二人以上の者によつて行う玉掛けの業務における補助作業の業務を除く。)
⓻動力により駆動される土木建築用機械又は船舶荷扱用機械の運転の業務
⑧直径が二十五センチメートル以上の丸のこ盤(横切用丸のこ盤及び自動送り装置を有する丸のこ盤を除く。)又はのこ車の直径が七十五センチメートル以上の帯のこ盤(自動送り装置を有する帯のこ盤を除く。)に木材を送給する業務
⑨操車場の構内における軌道車両の入換え、連結又は解放の業務
⑩蒸気又は圧縮空気により駆動されるプレス機械又は鍛造機械を用いて行う金属加工の業務
⑪動力により駆動されるプレス機械、シヤー等を用いて行う厚さが八ミリメートル以上の鋼板加工の業務
⑫岩石又は鉱物の破砕機又は粉砕機に材料を送給する業務
⑬土砂が崩壊するおそれのある場所又は深さが五メートル以上の地穴における業務
⑭高さが五メートル以上の場所で、墜落により労働者が危害を受けるおそれのあるところにおける業務
⑮足場の組立て、解体又は変更の業務(地上又は床上における補助作業の業務を除く。)
⑯胸高直径が三十五センチメートル以上の立木の伐採の業務
⑰機械集材装置、運材索道等を用いて行う木材の搬出の業務
⑱鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、シアン化水素、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
⑲多量の高熱物体を取り扱う業務
⑳著しく暑熱な場所における業務
㉑多量の低温物体を取り扱う業務
㉒著しく寒冷な場所における業務
㉓異常気圧下における業務
㉔さく岩機、鋲打機等身体に著しい振動を与える機械器具を用いて行う業務

産前産後を経過しない女性につかせてはならない業務について

本条第1項規定により産後一年を経過しない女性を就かせてはならない業務は、前述の①から⑫まで及び⑮から㉔までに掲げる業務となります。ただし、②から⑫まで、⑮から⑰まで及び⑲から㉓までに掲げる業務については、産後一年を経過しない女性が当該業務に従事しない旨を使用者に申し出た場合に限ります。

妊産婦以外の女性の就業制限について

同条2項の規定により同条第1項の規定を準用する者は、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性以外の女性とし、これらの者を就かせてはならない業務は、前述①及び⑱に掲げる業務となります。

参考

労働基準法のあらまし(女性関係)
労働基準法(危険有害業務の就業制限)

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この記事を書いた人

人事系コンサルで頑張っている者です。
毎日全力で突っ走ってます!!

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