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労働基準法第39条7項、8項(使用者による時季指定付与)

人事労務
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条文

第39条7項及び8項(使用者による時季指定付与)
7 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
8 前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない

使用者による時季指定義務について

年次有給休暇付与日数が10日以上の管理監督者を含む全ての労働者に対して、年5日までは、使用者が労働者の意見を聴取した上で、時季を指定して取得させる必要があります。なお、労働者が自ら請求・取得した年次有給休暇の日数や、第39条6項で定める労使協定で計画的に取得日を定めて与えた年次有給休暇の日数については、その日数分を時季指定義務が課される年5日から控除することができます。

この時季指定に当たっては、使用者は労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければなりません。

対象者について

対象者は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に限ります。そのため、比例付与などにより年次有給休暇の付与が10日に満たない場合は、対象外となります。
労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、使用者が取得時季を指定して与える必要があります。
なお、年次有給休暇を5日以上取得済みの労働者に対しては、使用者による時季指定は不要になります。
また、労働者の個人的自由よる取得のために、年次有給休暇は労働者の指定した時季に与えられるものとして一定の日数を留保する必要があります。そのため、使用者による時季指定は、5日を超える日数を指定することはできないとされています(平30.12.28基発1228第15号)。

年次有給休暇10日以上付与について

時季指定付与の対象となる年次有給休暇が10日以上の労働者とは、基準日に付与される年次有給休暇の日数が10労働日以上である労働者を規定しています。そのため、比例付与の対象で、今年度に付与される日数が10労働日未満の労働者については、繰越分の年次有給休暇を合算して10労働日になった場合も年次有給休暇が10日以上付与される労働者に含まれません(平30.12.28基発1228第15号)。

時季指定義務から控除する場合の例について

労働者が自ら申し出て取得した日数や、労使協定で取得時季を定めて与えた日数(計画的付与)については、5日から控除することができます。

【例】【時季指定日数】
労働者が自ら5日取得した場合使用者の時季指定は不要
労働者が自ら3日取得 計画的付与が2日の場合使用者の時季指定は不要
労働者が自ら3日取得した場合使用者は2日の時季指定が必要
計画的付与で2日取得した場合使用者は3日の時季指定が必要

半日単位と時間単位の年次有給休暇について

労働者の意見を聴いた際に半日単位の年次有給休暇の取得の希望があった場合においては、使用者が年次有給休暇の時季指定を半日単位で行うことは差し支えありません。この場合において、半日の年次有給休暇の日数は 0.5 日として取り扱うことが可能です。

ただし、時間単位で取得した場合については、時季指定義務の日数から控除できません。

年次有給休暇の斉一的付与の取扱いについて

全労働者に対して、一律の基準日を設けて年次有給休暇を付与する方法を年次有給休暇の斉一的付与といいます。この付与方法を行っている事業所においては、毎年4月1日を基準日としている場合、12月1日入社の労働者に翌年の4月1日の基準日に初回の年次有給休暇を付与する場合は、10月1日~11月31日までの期間については、その期間における実績により計算し、12月1日~翌年3月31日までの期間を全期間出勤したものとみなして計算することになります。

法定と異なる基準日を設定している場合の時季指定義務について

法定の基準日と異なり、

①入社日から年次有給休暇を付与する場合や、
②全社的に年次有給休暇の起算日を合わせるために2年目以降に付与日を変える場合

などについては、以下のような取扱いとなります。

①雇入れ後から6か月より前に10日以上の年次有給休暇を付与する場合は、付与した日から1年以内に5日の部分について指定して取得させなければなりません。

②入社した年と翌年で年次有給休暇の付与日が異なるため、全社的に起算日を合わせるために入社2年目以降の社員への付与日を統一する場合など5日の指定義務がかかる1年間の期間に重複が生じる場合は、重複が生じるそれぞれの期間を通じた期間(前の期間の始期から後の期間の終期までの期間)の長さに応じて比例按分した日数を、当該期間に取得させることも認められます。

通常は1回目付与の10月1日から翌年9月30日までの1年間に5日取得させ、2回目付与の翌年4月1日~翌々年3月31日までの1年間に5日取得させる必要があります。ただし、この場合は期間に重複が生じるため管理が複雑となります。そのため、10月1日から翌々年3月31日までの18か月間の期間で5日÷12×18=7.5日以上取得させることも認められます。

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