ChatGPT、Bing AI及びGoogle Bardの違いについて
ChatGPT、Bing AI、およびGoogle Bardは、それぞれ異なる特性と機能を持つAIチャットツールです。以下にそれぞれの違いをまとめました。
リリース日と開発元
- ChatGPT: 2022年11月30日にOpen AIによってリリースされました。
- Bing AI: 2023年2月7日にMicrosoftによってリリースされました。
- Google Bard: 2023年3月21日にGoogleによってリリースされました。
言語モデル
- ChatGPT: Open AIが開発したGPT-3.5およびGPT-4を採用しています。GPT-3.5は無料で利用でき、GPT-4は有料です。
- Bing AI: Open AIが開発したGPT-4を採用しています。無料で利用できるのが特徴です。
- Google Bard: Googleが独自開発した「PaLM 2」を採用しています。100以上の自然言語による文書データを学習させており、20種類のプログラミング言語にも対応できるのが特徴です。
機能
- ChatGPT: ユーザーとの会話を重視しています。ユーザーの質問に答えたり、ユーザーの指示に従ってタスクを実行したりできます。また、ユーモアや創造性のあるテキストを生成することも可能です。
- Bing AI: 検索エンジンとしての機能を重視しています。インターネット上の膨大な量の情報を検索し、ユーザーの質問に答えることができます。また、ユーザーの興味や関心に合わせて有益な情報やコンテンツを提供する機能も備えています。
- Google Bard: Google検索と連携しています。質問した回答に納得いかないときは「Googleで検索」というリンクをクリックすることで検索エンジンも利用できます。
取得できる情報（2023年10月投稿時点）
- ChatGPT: 2022年1月(GPT-3.5)までの情報しか取得できません 。
- Bing AI: 検索エンジンを通して最新情報も取得可能です。
- Google Bard: 2023年4月までの情報が取得可能です。
GPT-3.5とGPT-4の違いについて
GPT-3.5とGPT-4は、OpenAIが開発した大規模言語モデルで、それぞれ異なる特性と機能を持っています。以下にそれぞれの主な違いをまとめました。
モデルの大きさ
- GPT-3.5: 1750億パラメータ
- GPT-4: 5000億パラメータ
パラメータ数とは、言語モデルが学習する係数の数を表します。パラメータ数が多いほど、言語モデルはより複雑なパターンを学習することができます。GPT-3.5とGPT-4のパラメータ数の差は、GPT-4がGPT-3.5よりも約3倍多くのパラメータ数を持っているということです。これにより、GPT-4はGPT-3.5よりも複雑なパターンを学習し、より正確で創造的なテキストを生成することができます。
創造性
GPT-4は、プロンプトに対してこれまでより創造的な応答ができることがGPT-3.5より明らかに優れている点の一つです。
画像入力（ビジュアル入力）
GPT-3.5はテキストプロンプトしか受け付けませんが、GPT-4はマルチモーダルのため、テキストでもビジュアルでも入力が可能です。
より安全な応答
GPT-4も完ぺきではありませんが、より安全な応答をするための対策が取られているのは、GPT-3.5からの嬉しい改善点です。
応答の事実性
GPT-3.5の欠点の一つは、意味のない不正確な情報を、堂々と生成する傾向があることです。しかし、GPT-4では、ハルシネーションの起こりやすさは19～29％低くなっています。
コンテキスト・ウィンドウ
GPT-4とGPT-3.5の違いとして話題になることが少ないものに、「コンテキスト・ウィンドウ」と「コンテキスト・サイズ」があります。GPT-4は、「コンテキスト・サイズ」と「コンテキスト・ウィンドウ」が、従来のモデルより大幅に改善されています。
使用料金
GPT-3.5は無料で使用できますが、GPT-4は有料版への申し込みが必要です。
Googleが独自開発したPaLM2について
PaLM 2は、Googleが開発した次世代の大規模言語モデルで、以下のような特性と機能を持っています。
多言語対応
PaLM 2は、100以上の言語にわたる多言語テキストに、より重点をおいて学習しています。
推論能力
PaLM 2は、高度な推論タスクに優れています。これには、コードと数学、分類と質問応答、翻訳と多言語熟練度、自然言語生成が含まれます。
コーディング能力
PaLM 2は、大量のウェブページ、ソースコードなどのデータセットで事前学習されています。これにより、PythonやJavaScriptなどの一般的なプログラミング言語だけでなく、PrologやFortran、Verilogなどの専門的なコードも生成することが可能です。
モデルの構築方法
PaLM 2は、計算最適スケーリングの使用、改善されたデータセット混合、およびモデルアーキテクチャの改善を統合することで構築されました。
使用場面
PaLM 2はGoogleのBardやPaLM APIなど、Googleの生成的AI機能やツールを強化するために使用されています。
まとめ
ChatGPTとBing AIの違い: ChatGPTはOpenAIが開発したGPT-3.5およびGPT-4を採用しており、ユーザーとの会話を重視しています。一方、Bing AIはOpenAIが開発したGPT-4を採用しており、検索エンジンとしての機能を重視しています。
Google Bardの使用場面: Google Bardはフレーズの作成、ソーシャルメディアとブログのコンテンツ生成、教育ツール、文章の校正・校閲、外国語の翻訳、定型的な文章の制作など、さまざまな場面で使用されます。
GPT-3.5とGPT-4の違い: GPT-3.5は1750億パラメータを持つ一方で、GPT-4は5000億パラメータを持っています。また、GPT-4は創造性が高く、ビジュアル入力が可能であり、より安全な応答をすることが可能です。
PaLM 2について: PaLM 2はGoogleが開発した次世代の大規模言語モデルであり、多言語対応や推論能力、コーディング能力などが特徴です。
