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健康保険法における被扶養者について(法3条7項)

人事労務

健康保険では、被保険者が病気や怪我になったときや亡くなった場合、または、出産した場合に保険給付が行われますが、その被扶養者についての病気・けが・死亡・出産についても保険給付が行われます。

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第3条7項の条文について

第3条7項
7 この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない。
一 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの
二 被保険者の三親等内の親族で前号に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
三 被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
四 前号の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの

被扶養者の範囲について(法3条7項)

被扶養者の範囲は国内居住要件を満たし、以下に該当する者になります。

【同居世帯であることが不要な者】
①被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている者

【同一世帯の必要がある者】
②被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の者
なお、「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいいます。
1.被保険者の3親等以内の親族(①に該当する人を除く)
2.被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
3.②の配偶者が亡くなった後における父母および子

国内居住要件について

①国内居住要件の考え方
改正後の健康保険法第3条第7項に定める「住所」については、住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある方は原則、国内居住要件を満たすものとされます。
このため、例えば、当該被扶養者が一定の期間を海外で生活している場合も、日本に住民票がある限りは、原則として国内居住要件を満たすこととなります。

②国内居住要件の例外(海外に居住しているが被扶養者となる方)
日本国内に住所がないとしても、外国に1時的に留学をする学生、外国に赴任する被保険者に同行する家族等の1時的な海外渡航を行う者等については、日本国内に生活の基礎があると認められる者として、国内居住要件の例外として取り扱われます。

【国内居住要件の例外となる方】
①外国において留学をする学生
②外国に赴任する被保険者に同行する者
③観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的での1時的な海外渡航者
④被保険者の海外赴任期間に当該被保険者との身分関係が生じた者で、②と同等と認められるもの
⑤①から④までに掲げられるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

直系専属、配偶者、子及び3親等内の親族について

①直系専属
被保険者本人の父母、祖父母等が該当します。配偶者の直系専属は含まず、配偶者の直系専属は3親等内の親族に含まれます。

②配偶者
民法上の配偶者だけではなく、内縁関係の者も配偶者に含まれます。

③子
民法上の実子(認知をした子を含む)及び養子等の親子関係が認められている者が該当します。なお、継子は姻族1親等に該当しますので、3親等内の親族となります。

④3親等内の親族
3親等内の親族には、曾孫、伯父伯母、叔父叔母、甥姪は含まれますが、従妹姉、従兄弟は含まれません。なお、継子、継母は3親等内の親族に含まれます。

収入の基準について

被扶養者として認定されるには、主として被保険者の収入により生計を維持されていることが必要です。この認定については、以下の基準により判断をします。

ただし、以下の基準により被扶養者の認定を行うことが実態と著しくかけ離れており、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなると認められる場合には、その具体的事情に照らし保険者が最も妥当と認められる認定を行うこととなります。

①認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。

なお、上記に該当しない場合であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、その世帯の生計の状況を果たしていると認められるときは、被扶養者となる場合があります。

原則130万円未満被保険者の年間収入の2分の1未満
60歳以上180万円未満被保険者の年間収入の2分の1未満
障碍者180万円未満被保険者の年間収入の2分の1未満
例外130万円(180万円)未満被保険者の年間収入の2分の1以上であっても、被保険者の年間収入を上回内場合には、世帯の生計状況を総合的に勘案して、被保険者が世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められる場合には、要件を満たします。

②認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。

なお、自営業を営んでいる認定対象者の年間収入の算定にあたっては、収入から控除できる経費は事業所得の金額を計算する場合の必要経費とは異なります。

・控除できる経費の例
売上原価(一般所得)、種苗費、肥料費(農業所得)等

・控除できない経費の例
減価償却費(一般所得、農業所得、不動産所得)等

年間収入について

年間収入は、雇用保険の失業保険等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。

●障害者について

障害者は、厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害をいいます。

●夫婦共同扶養の場合について(昭60.6.13保険発66号・庁保険発22号)

夫婦共同扶養の場合は、原則として年間収入の多い方が被扶養者になります。なお、夫婦の年間収入が同程度である場合は、届出により主として生計を維持する者の被扶養者としkます。

全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者である場合における夫婦共同扶養に係る被保険者の認定については、年間収入の少ない方の被扶養者とする旨の届出があった場合でも、生計維持の実態に照らして、主として年間収入の少ない方により生計が維持している者と認められる場合は、年間収入の少ない方の被扶養者として認定してよいとされています。

健康保険被扶養者(異動)届について

被保険者は、被扶養者を有するとき、又は、被扶養者を有するに至ったときは、5日以内に被扶養者(異動)届について、事業主を経由して、厚生労働大臣又は健康保険組合に提出しなければなりません。

また、被扶養者の記載事項に変更があったときは、その都度、事業主を経由して厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければなりません。

ただし、被保険者が任意継続被保険者である場合は、直接、保険者に提出しなければなりません。

被扶養者から外れる手続きについて(平25.11.18保保発1118第1号)

被扶養者が外れる手続きについては、被保険者からの届出に基づいて行われることを原則とします。

ただし、配偶者である被保険者から暴力を受けた被扶養者がその扶養から外れるにあたっては、当該届出は期待できないため、被保険者から届出がなくとも、婦人相談所が発行する配偶者からの暴力を理由として保護した旨の証明書を添付して被扶養者から外れる旨の申出がなされた場合には、被扶養者からの外れることができるとされています。

被扶養者から外れる手続きについて(平25.11.18保保発1118第1号)

被扶養者が外れる手続きについては、被保険者からの届出に基づいて行われることを原則とします。

ただし、配偶者である被保険者から暴力を受けた被扶養者がその扶養から外れるにあたっては、当該届出は期待できないため、被保険者から届出がなくとも、婦人相談所が発行する配偶者からの暴力を理由として保護した旨の証明書を添付して被扶養者から外れる旨の申出がなされた場合には、被扶養者からの外れることができるとされています。

参考

協会けんぽ 被扶養者とは?

被扶養者とは? | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

厚労省 親族の範囲について

日本年金機構 健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)記入例

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